フィリピンの教育事情
概要
1. フィリピンで日本人が通う学校の種類
2. 学校までの交通手段
3. 塾事情
1. フィリピンで日本人が通う学校の種類
フィリピンで日本人の子どもが教育を受ける方法としては、主に以下の3つの選択肢があります。
■日本人学校
日本政府の認可を受けており、日本語で教育を受けることができます。日本の学校と同等のカリキュラムに基づいた授業であるため、将来日本の学校に戻ることを考えている場合に利用することが多いです。 現在、フィリピンにある日本人学校は「マニラ日本人学校(MJS)」の1校のみで、生徒数は約300〜400名。小学校から中学校までの教育を受けることができます。学校はフォートボニファシオという、マニラの中でも比較的安全なビジネス地区にあり安心して通うことができます。学費は年間を通し25万ペソ(55万円)前後です。
■インターナショナルスクール
多様な文化に触れ、英語や国際的な感覚を子どもに身につけてほしい場合にはインターナショナルスクールがおすすめです。ただし、他の学校と比較すると学費が高い点、希望者が多い場合は待機児童になる可能性がある点に注意しましょう。近年、フィリピンでもインターナショナルスクールの数が増えてきており、特に人気があるのは以下の3つの学校です。 費用については下記以外に施設利用費や追加のプログラムに参加するための費用などがかかります。
① Brent International School Manila
場所:ラグナ(メトロマニラの南にある地域)
生徒数:1,040名
学費(年間):180〜200万円前後
② International School Manila
場所:フォートボニファシオ(メトロマニラ)
生徒数:2,200名
学費(年間):210〜280万円前後
③ The British School Manila
場所:フォートボニファシオ(メトロマニラ)
生徒数:930名
学費(年間):160〜220万円前後
■現地の私立学校
概してフィリピンにある一般的な現地校は日本と比べると教育の質が劣りますが、進学校であれば、インターナショナルスクールに引けを取らないレベルの教育を受けることが出来る学校もあります。インターナショナルスクールと比較すると費用が格段に低いため、しっかりリサーチした上で学校を選べばリーズナブルな金額で子どもにとって良い環境を整えることが出来ます。
下記はマニラでも特に富裕層の子供たちが通う私立学校で、政治家や事業家の両親を持つ生徒が多い学校です。カリキュラムや学校設備もしっかりしており、比較的小規模な人数での授業を提供しています。また、立地や校内の安全面でも安心出来るため、日本人からの人気が高い学校となっております。
特に人気が高い学校は以下の通りです。学費は20~40万円程度で、小学校から高校、又は大学まで就学が可能です。
※(学校種類/所在地/生徒数/年間学費/受け入れ学校種類)
① Ateneo de Manila (男子校/ケソン市/生徒数3094名/年25~30万円/小中高大)
② La Salle Greenhill(男子校/マンダルヨン市/生徒数約3,000名/年30万円程度/小中高大)
③ Assumption College Senior High School (女子校/マカティ市/年22万円程度/小中高大)
④ PAREF Woodrose School (女子校/モンティルンパ市/生徒数約1000人/年40万円程度/小中高)
⑤ Saint Jude Catholic school (男女共学/マニラ市/生徒数3300名/小中高)
2. 学校までの交通手段
マニラは公共交通機関が発達していないため、日本のように、子どもひとりが電車やバスで学校に通うことは不可能です。ほとんどの学校がスクールバスを出していますが、現地の親たちは安全性を懸念し、自分たちで送り迎えをする場合が多いです。大きな学校であればスクールバスの利用も問題はないですが、警備員やドライバーによる誘拐事件や傷害事件などがしばしば起きているため、警戒心を高めている親も少なくありません。
特にマニラでは裕福な家庭の子どもを誘拐する事件がよく起きている為、子どもが外をひとりで出歩くことは避けたほうがいいです。特に日本人を含め、外国人は見た目からすぐに外国人と分かるため、注意が必要です。
3. 塾事情
まず、日本人学校自体の教育レベルは日本と同等と言われておりますが、日本人学校の教師は任期が3年と限定されている関係もあり、マニラ日本人学校のPTAや父母からは、日本と比較してマニラ日本人学校の教師は経験レベルが低い先生が多いとの厳しい意見が多数のようです。
そのため、塾にて勉強を補うケースが多いです。しかしそれでも、塾制度があまり整っていないマニラで日本の高校、大学受験をする事は非常に難しく、進学で受験を視野に入れている場合は受験の1~2年前に母子で日本に帰国し、日本の学校や塾にて受験準備をするケースが多いです。
日本の高校・大学受験における試験は日本独自のものであるため、インターナショナルスクールやローカルスクールに通っていた場合、フィリピン現地の勉強のみで一般受験をすることは難しいです。ただし、帰国子女枠などで異なった試験(面接、論文など)制度があれば、フィリピンの現地学校を卒業して、日本の高校・大学に入学できる可能性は十分にあります。
フィリピン駐在員の子どもの高校からの進学先としては、日本の高校や現地のインターナショナルスクールや現地校に通い大学は欧米を受験するなど、フィリピン国外で受験・進学することが一般的なようです。