フィリピンの言語事情
概要
1. フィリピンの使用言語について
2. フィリピノ語の特徴
3. フィリピンでよく使う言葉・日本人の現地語習得状況
1. フィリピンの使用言語について
公用語は英語とフィリピノ語で、この2つの言語は流暢さの差はありますが、どの地域でもほとんどの人が話すことができます。また、フィリピンには華僑が多く、中国語を耳にすることも少なくありません。
◇公用語について
フィリピノ語とタガログ語は基本的に同じですが、フィリピンの公用語であるということを強調するため、公的にはフィリピノ語と呼ばれています。
学校や会社など、公的な場では英語が使用されますが、日常会話はマニラであればフィリピノ語、地方であればそれぞれの方言が使われています。使用文字はアルファベットです。学校の授業はレベルが高い学校であれば基本的に全て英語で行われており、教科書もアメリカのものを使用しています。
会社における通達文書や政府から出される公文書も英語です。
ほとんどの人が英語で最低限のやりとりをすることが可能です。(タクシーや買い物におけるやりとり等)。
◇方言について
フィリピンには187の方言があります。類似性の高い方言も存在していますが、方言によって語彙が異なることもあり、異なる方言同士ではお互いを理解することができません。
2. フィリピノ語の特徴
◇語彙について
現地語で話す場合でも、頻繁に英語の単語が使われます。
特にマニラなどの都市部では、英語とフィリピノ語を混ぜて話す人が多いです。
◇敬語について
フィリピノ語の敬語は文章の最後に”po (ポ)”とつけると、丁寧な表現になります。
敬称は英語がそのまま使われており、目上の男性には”Sir”、女性には”Ma’am/Madam”が頻繁に使われます。
◇方言
方言によって、同じ単語でも意味や文法が完全に異なることがあるため、基本的には別の言語として学ぶ必要があります。
3. フィリピンでよく使う言葉・日本人の現地語習得状況
以下はフィリピノ語でよく使われる表現です。例からもわかるように、普段から英語の表現が使われることが少なくありません。
<挨拶>
こんにちは = Hello(ヘロー)
元気ですか = Kumsta?(カムスタ?)
さようなら = Bye(バイ)
おはようございます(magandang umaga マガンダン ウマガ)
こんにちは(magandang hapon マガンダン ハポン)
こんばんは(magandang gabi マガンダン ガビイ)
上記のように時間帯で挨拶に違いがありますが、日常的にはあまり耳にしません。
<日常会話>
ありがとう = Salamat(サラマット)
ごめんなさい = Sorry (ソーリー)
すみません(呼びかけ)= Excuse me(エクスキューズミー)
いくらですか? = Magkano? (マッグカーノ?)
*グはほとんど発音せず、ほとんどマッカーノ?と聞こえます
美味しい = Masarap (マサラップ)
ご飯食べた? = Kumain ka na ba?(クマイン カナバ?)
(フィリピンでは挨拶として「ご飯食べた?」という表現がよく使われます。)
<便利な単語>
CR(Comfort Room シーアール) = トイレ
Bill out(ビルアウト)= お会計
Kuya/Ate (クヤ、アテ)= ウエイターやウエイトレス、スタッフに対する呼びかけ(Kuyaは男性、Ateは女性)
フィリピン人と結婚していたり、在住歴が長い日本人はフィリピノ語を話せるようになっていることが多いです。しかし、基本的には英語でコミュニケーションが取れるため、駐在等で短期滞在する場合はフィリピノ語が話せなくても問題なく生活できます。